2009年09月21日
V.A. - London Pavilion Volume Two el 1987 (1988,85608-32)
1987年/国内盤/バップ(解説:赤岩和美)

- Masque - Maden Hill
- Curry Curry - Bad Dream Fancy Dress
- Trail Of The Dr.Fancy - The King Of Luxenbourg
- You Marry You - Louis Philippe6
- The Garden Of Eden - Anthony Adverse
- Amateur Detection - Always
- Hanging Gardens Of Reigate - Would Be Goods
- The Pop Up Man - Ambassador
- Whoops! What A Palaver - The Raj Quartet
- The 13th Day Of Christmas - Caprice
- Lose That Long Face - The Florentines
- Jude X - Great Chefs Of Europe
一部で熱狂的な信奉者を生んだ英国の粋の極みたるエル・レーベルの、もっとも脂の乗っていた時期にリリースされたコンピレーション、その第2弾。マイク・オールウェイという、英国音楽界きっての曲者によって設立された本レーベルに集うアーティストはどれも不思議な意匠で統一されていて、ジャック・ザ・リッパーの頃に逆行するかの如き時代がかったアートワークと、ちょっと浮世離れしたポップ・センスが最大の魅力だった。「ポップはグラマラスでなければならない」とのマイクの旗下にあって、マーデン・ヒルや“サー”キング・オブ・ルクセンブルグを始め、ルイ・フィリップ、アンソニー・アドヴァース、オールウェイズといった多彩な顔ぶれが並ぶ本盤、オリジナルの発売からは既に20年以上の歳月を経ているとはいえ、未だその豪奢で瀟洒な音楽性は色褪せていない。我が国の風土ではどう転んだって醸せないこの雰囲気に魅せられた洋楽ファンも多く、その後プロになった邦楽ミュージシャンにもエル好きを公言する人は多い。
V.A. - I'm Your Fan: The Songs Of Leonard Cohen By... (1991,ESCA 5527)
1991年/国内盤/エピック・ソニー(解説:渡辺亮)

- Who By Fire - The House Of Love
- Hey,That's No Way To Say Goodbye - Ian McCulloch
- I Can't Forget - Pixies
- Stories Of The Street - That Petrol Emotion
- Bird On The Wave - The Lilac Time
- Suzanne - Geoffrey Oryema
- So Long Marrianne - James
- Avalanche IV - Jean-Louis Murat
- Don't Go Home With Your Hard-On - David McComb & Adam Peters
- First We Take Manhattan - R.E.M.
- Chelsea Hotel - Lloyd Cole
- Tower Of Song - Robert Foster
- Take This Longing - Peter Astor
- True Love Leaves No Traces - Dead Famous People
- I'm Your Man - Bill Pritchard
- A Singer Must Die - Fatima Mansions
- Tower Of Song - Nick Cave And The Bad Seeds
- Hallelujah - John Cale
カナダが生んだ偉大なるダンディ詩人レナード・コーエンの名曲群を、当時の音楽シーンを代表するアーティスト達がカバーした、非常に贅沢なトリビュート・アルバム。『僕たちレナード・コーエンの大ファンです。』なる邦題が示す通りに、いずれの曲も原曲から極端に飛躍した新解釈がなされている訳ではなく、皆純粋なファン心理でもってレコーディングに臨んだ模様だ。ライナーによると本盤を企画したのはフランスのロック雑誌だそうで、そういわれれば成る程、レナード・コーエンとオルタナ系との組合せというのはいかにもヨーロッパのメディアが思い付きそうなアイデアだな、と妙に納得してしまった。それにしても、イアン・マカロックやロイド・コールなどがコーエン・ファンだというのは以前から知っていたし、ロバート・フォスターの名前があるのも理解出来るのだけど、よもやピクシーズやザット・ペトロール・エモーションとかが参加しているとは思わなかった。あとひとつ物申せば、最後の曲は人選を変えて欲しかった。
V.A. - No Alternative (1993,BVCA-628)
1993年/国内盤/BMGビクター(解説:大鷹俊一)

- Superdeformed - Matthew Sweet
- For All To See - Buffalo Tom
- Sexual Healing - Soul Asylum
- Take A Walk - Urge Overkill
- All Your Jeans Were Too Tight - American Music Club
- Bitch - Goo Goo Dolls
- Unseen Power Of The Picket Fence - Pavement
- Glynis - Smashing Pumpkins
- Can't Fight It - Bob Mould
- Hold On - Salah Mclachlan
- Show Me - Soundgarden
- Brittle - Straitjacket Fits
- Joed Out - Barbara Manning
- Heavy 33 - The Verlaines
- Effigy - Uncle Tupelo
- It's The New Style - Beastie Boys
- Iris - The Breeders
- Memorial Tribute - Patti Smith
- (secret track)
アルバム・タイトルにもかかっている通り、主に当時のUSオルタナ・シーンで活躍していたアーティスト達の曲を中心にコレクションされたエイズ・チャリティ・アルバム(ただそのタイトルには他方で「エイズ撲滅の為には選択の余地無し」といったシリアスなテーマも込められている)。10年ひと昔というか、今この布陣を眺めると懐かしさと同時に妙なむず痒さがこみ上げて来るけれど、確かに音楽的に見ても人気の点で考えても当時ピークにあった人選であることは間違い無い。トップを飾るのはお馴染みマシュー・スウィート。ただこの曲は彼にしてはまあ及第点かな、くらいの出来で、冒頭からの没入感はイマイチ。その後も個人的に興味の湧かないバンドが続いて正直辛かった。ただM5、M7、M9辺りのフェイヴァリットが登場する中盤以降は持ち直してくれたので結果オーライ。嬉しかったのはストレイトジャケット・フィッツやヴァーレインズの曲が聴けたことくらいか。ちなみに19曲目のシークレット・トラックの正体は、裏は取ってないけどこりゃどう聴いてもニルヴァーナだろう。
V.A. - Propaganda (1979,D20Y4029)
1979年/国内盤/ポニー・キャニオン(解説:東ひさゆき)

- Go Crazy - Granati Brothers
- Throw It Away - Joe Jackson
- Come On - Joe Jackson
- Landlord - The Police
- Next To You - The Police
- Joey - The Reds
- Head Case - Bobby Henry
- Don't Ask Me - Joe Jackson
- Slap & Tickle - Squeeze
- Another Lone Ranger - David Kubinec
- Valid Or Void - Shrink
ギターを掻き鳴らし激しくシャウトする毛沢東と、彼の至近距離から半径数キロに及ぼうかという範囲までを埋め尽くす熱狂的なアジア人ファン達、という強烈なアルバム・ジャケットが印象的な、A&Mレコード所属アーティスト達によるオムニバス盤。オリジナル・リリースは79年で、かの『ノー・ウェイヴ』の続編的な位置付けもなされているらしい。正直に白状すると、ジョー・ジャクソンとスクィーズとポリス以外はこのアルバムに接するまでその名前すら知らない人達ばかりだったので、あまり詳細については判らない。ただ、通して聴いていると、ロンドン・パンク以降、ニュー・ウェイヴがどうしたこうした、とかの地の音楽界が色々盛り上がっていた頃の熱気のようなものは十分伝わって来る。中でも驚かされるのが、ジョー・ジャクソンとスティング、両者の声の若々しいこと!まだ若かったんだから当然といえば当然なのだけど、こうして改めて聴き返すと、後年になってどんな理論武装を施そうが彼等の原点は間違い無く「ここ」にあったことが再確認出来る。
V.A. - Crepuscule Collection: The Quick Neat Job (1986,VDP-1127)
1986年/国内盤/ビクター音楽産業(解説:石川真一)

- Seaside Week End - Antena
- Theme - Be Music
- Reports From The Heart - Winston Tong
- Love May Be Blind - Kid Montana
- Life Of Jade - Pleasure Ground
- Summer - Anna Domino
- Aragesque - The Wayfarers
- Big Blue World - Paul Haig
- Mystery And Confusion - Blaine L. Reininger
- The Sandman - Alan Rankine
70年代末、ベルギーはブリュッセルにて『ブリュッセルより愛をこめて』という名のオムニバス・カセットからスタートしたこのクレプスキュールも、この頃になるとすっかりイギリスや日本の耳の肥えた洋楽ファンの間に浸透しており、いわばひとつの爛熟期を迎えていた。僕は後追いでこのレーベルに接したリスナーである為ここで偉そうなことはいえないけれども、所属アーティスト達の奏でる音楽が醸す無国籍的なムードと、奥底に秘められた冷ややかなアヴァンギャルド感覚には、代替品のきかない魅力があったように思う。本盤は85年末にリリースされた原盤に、日本独自のチョイスで4曲の入れ換えがなされた内容のもの(ライナーより)で、『新クレプスキュール物語』なる邦題が与えられている。今回も相変わらず独自のポップ・センスを纏った佳作揃いで、何処から聴いても本レーベルらしさが味わえる。アンテナやアンナ・ドミノ、ポール・ヘイグ辺りの名前を目にするとホッとさせられるし、レーベルの本質を突いたかのようなタイトルのM9も素晴しい。ちなみに、M2はニュー・オーダーの変名バンド。なんでウェスタン?
最後に
オムニバス特集は今回のこれでひと区切りとさせていただきたい。まだまだ紹介し切れていない良質なコンピレーションがあるけれど、それらは追々ブックマンで挙げて行きたいと思っている。あとはこのタイトル、清志郎の曲をもじったものだということを一体どれくらいの人に解ってもらえたか、それだけが不安だ。