2008年09月29日
はじめに
一枚で色んなアーティストの曲を楽しめるのがオムニバス盤の醍醐味。たとえ目当てのアーティストが一曲しか収録されてなくても、他で思わぬ出会いがあったり、名前は知ってたけど音は未聴だったヤツをついでに試せたりと、そのメリットは人それぞれだ。ただひとくちにオムニバスといっても、中身の方はレーベル紹介のサンプラーやチャリティーを旨とした企画物など千差万別で、中にはかのレニー・ケイが編集に関わった『ナジェッツ』や、チェリー・レッド・レーベルひいてはUKアフター・パンク期の熱気をパッケージングした『ピロウズ&プレイヤーズ』(ブックマンで紹介済み)、或いはリリース当時毀誉褒貶相半ばした『クリスマス・エイド』等、歴史的な名盤と評されているものも少なくない。が、ここでは今一度オムニバス盤の有する本来的な有難味に立ち返って、その多彩な顔ぶれによるお祭り感覚の楽しさを再確認してみよう。
V.A. - Deadicated (1991,BVCA-112)
1991年/直輸入盤/輸入・発売:BMGビクター(解説:会田裕之)

- Beatha - Los Lobos
- Jack Straw - Bruce Hornsby & The Range
- U.S. Blues - The Harshed Mellows
- Ship Of Fools - Elvis Costello
- China Doll - Suzanne Vega
- Cassidy - Suzannne Vega
- Truckin' - Dwight Yoakam
- Casey Jones - Warren Zevon With David Lindley
- Uncle John's Band - Indigo Girls
- Frend Of The Devil - Lyle Lovett
- To Lay Me Down - Cowboy Junkies
- Wharf Rat - Midnight Oil
- Estimatad Prophet - Burning Spear
- Deal - Dr.John
- Ripple - Jane's Addiction
タイトルにもかかっている通り、グレイトフル・デッドの名曲の数々を多彩な面子がカヴァーしたチャリティー盤。昨今流行りのトリビュート・アルバムを先取りしたかの様な内容で、しかもベネフィット・テーマが“熱帯雨林の保護”という、これまた近年益々深刻化する環境問題をいち早く採り上げたマーケティングの先見性にも瞠目すべき一枚だ。デッドの持つドラッグ・ミュージック的冗長さを上手く回避して、各々手堅い楽曲選びと演奏でコンパクトにまとめている。冒頭を飾るロス・ロボスは言うに及ばず、キンクスの「デイズ」の時と甲乙付け難い出来映えのコステロ、中盤を彩るスザンヌ・ヴェガやカウボーイ・ジャンキーズ等々、聴きどころ満載。個人的にはM8は涙なくしては聴けない。ラストをペリー・ファレルで締めたのはどうかとちょっと思うが。
Artists For Animals - The Liberator (1991,JIM 0039)
1991年/国内盤/製作・発売:ジムコ・ジャパン 販売:創美企画(解説:大鷹俊一)

- Pigs...(in theme) - Robert Wyatt
- Animal Farm - Madness
- Monkey In A Bin - Attrition
- The Aftermath - Durutti Column
- Suffer Dog - Shelleyan Orphan
- Rain Forest - Kalima
- When The Last Ship Sails - The Entire Population Of China
- The Abbatoir - Carla Lane
- The Boyne Hunt Saboteurs - Gone To Earth
- I Believe(I Believe) - Pop,Dick And Harry
- One Million Hamburgers - The Frank Chikiens
- All Cats Are Grey - The Cleaners From Venus
- Blood Sports - Style Counsil
- Toros - Anne Clarke&Patrick Fitzgerald
- Knit Your Own Balaclava - Chumbawamba
- Hear The Animals Cry - Josi Without Colours
- Lies - T.V.Smiths
- A Sporting Life - Captain Sensible
ライナーノーツから一部抜粋させてもらうと、「動物の生体解剖などに抗議する国際団体への支援というコンセプト」の下に賛同者が集まって制作された、一種のマニフェスト・アルバム。西欧的肉食文化全般への批判ではなく、医療等の分野で絶えず繰り返される動物実験を糾弾するという狭義な矛先の、その点ではかなりラディカルな性質を持つ一枚だといえる。各々の楽曲も何らかの形で動物をテーマにしたものばかりだ。それ故、という訳でもないだろうが、集まった面子も相当に尖端的な表現を身上とする強力な布陣で、初っ端からロバート・ワイアット、マッドネスと続く展開にはクラクラさせられる。珍しいところでは東大&京大出身の日本の女性デュオ、フランク・チキンズが11曲目で登場。T.V.スミスやキャプテン・センシブルなんてのも、人によっては目頭が熱くなるのでは。僕としてはドゥルッティ・コラムの名前があるだけで本盤は「買い」だったので、概ね満足だ。さっきクレジットを確認するまでスタイル・カウンシルがいたのをすっかり忘れていたのは内緒だが。
Nobody's Child - Romanian Angel Apeal (1990,WPCP-3639)
1990年/国内盤/ワーナー・パイオニア(解説:落合隆)

- Nobody's Child - Traveling Wilburys
- Wonderful Remark - Van Morrison
- Medicine Man - Elton John
- This Week - Dave Stewart And Spiritual Cowboys
- Homeward Bound - Paul Simon And George Harrison
- How Can You Mend A Broken Heart? - Bee Gees
- Lovechild - Billy Idol
- Big Day Little Boat - Eddie Brickell & New Bohemians
- Feeding Off The Love Of The Land - Stevie Wonder
- That Kind Of Woman - Eric Clapton
- Goodnight Little One - Ric Ocasek
- The Trembler - Duane Eddy
- Ain't That Peculiar - Mike & The Mechanics
- Civil War - Guns N' Roses
- With A Little Help From My Friends - Ringo Starr And His All Star Band
ルーマニアの孤児救済の旗の下、泣く子も黙るビッグ・ネームが集結した屈強極まりないチャリティー・アルバム。アイデアの発端者はジョージ・ハリソン。タイトルとなった「ルーマニアン・エンジェル・アピール」というのは彼の妻オリビアが参画する慈善団体の名前でもある。ずらり揃った顔ぶれも豪華なら、収められた楽曲もかなりに贅沢。何しろその半数がここで初お披露目となる新曲で固められているのだから、各人の気合の入りようが窺えるというもの。全体の印象としては、平均年齢が高めな面子のイメージも手伝ってかオーソドックスなロック・ナンバーが多く、終始落ち着いた雰囲気で進行している。そのおかげで、この手の企画盤にありがちな仰々しく泣いて泣いて盛り上げて金をしこたま集めようという上から目線な印象は薄い。本来的な意味でのセレブリティの仕事といってよかろう。トリを飾るリンゴ・スターなど、人徳がどれだけ音楽性の豊かさに加担するかの素晴しい証明になっている。ガンズの「シヴィル・ウォー」が、ここで初めて世に出た曲だったというのは意外な事実だった。
V.A. - Fire Is Good (1994,KICP 410)
1994年/国内盤/キング・レコード(解説:岡村詩野)

- So Glad - Thrum
- Cope - Gigolo Aunts
- Never Dream At All - The Nightblooms
- In The Sticks - Congregation
- A Sense Of Belonging - Television Personalities
- Bed In - Eugenuis
- Not Superstitious - Leatherface
- God Knows It's True - Teenage Fanclub
- One Deep Breath - Anastasia Screamed
- Ups - Blue Aeroplanes
- Crawl Babies - The Pastels
- I Won't Try - Midway Still
- Revolution - Spacemen 3
- This Town - Gumball
- Doom Upon Your Palm - Harbourkings
- To One In Paradise - H.P.Zinker
- Blonde Ice - Silver Chapter
- Dreams Of Everyday - Atlantica
- Countdown - Pulp
90年代中頃もっとも脂の乗っていたUKインディ・レーベル、ファイアーのコンピレーション盤。本国ではプロモーション用の見本品だったらしいが、我が国では晴れて正規ルートにての販売となった。とにもかくにもギター・ロック/ポップが好きだ!という人には文句無しにお薦め。正に「ウチはいい!」とのタイトルに偽り無し。当時のレーベルの勢いそのままに、鮮度の高い手作り感覚のロックンロールが矢継ぎ早に繰り出されて、最後まで一気に聴き通せる。ジゴロ・アンツ、テレパソ、ユージニアス、ティーンエイジ・ファンクラブ、パステルズ、スペシメン3、ブルー・エアロプレインズ、パルプ等々、こうして全角で書き直して列挙したらウチのヒット数が倍増しそうな人気者が勢揃い。際立ったレーベル・カラーは感じられないが、例えば商魂に潰される以前のクリエイションの良心的な部分を継承した真っ当な運営が行われていたのでは、と察せられる全19曲。個人的には、必死で海外のサイトで探し回っても一向に正体の掴めなかったM4のコングレゲイションなるバンドが気になって仕方無いのだけど。この曲最高だよ。
V.A. - La-di-da...So Far... (1992,KICP 254)
1992年/国内盤/キング・レコード(解説:伊藤英則)

- With Wings We'll Soar The Heavens - Dead Famous People
- Grouwin Up Way - How Many Beans Make Five
- Another Photograph - John Cunningham
- Sandstorm - All Over The Place
- I Could Well Believe That - How Many Beans Make Five
- This Scene Is Happening - Liqid Faeries
- Wite Pearl - Bobby Scarlet
- Everythings Just Fine - Earwig
- Strange - All Over The Place
- How To Be Kind - Dead Famous People
- You'll Never Know - John Cunnungham
- Small Harmonica - How Many Beans Make Five
- Both Of Us Screaming - Earwig
- Solo Moon - Liqid Faeries
- Scatterd - All Over The Place
- Red Stone - John Cunnungham
- Say What You Feel - Said Liquidator
ある種の儚さを己が美徳とした人々による果敢な戦記録。88年に設立された純然たるUKインディー・レーベルが、当時の所属アーティストを一通り網羅したコンピレーション・アルバムである。現在は結構なレア盤とのことで躍起になって価値を高めようとする輩も散見されるが、正直一聴した分には趣味の良い小品の並んだ気の利いたオムニバス盤との印象しか抱けない。ジョン・カニンガムが3曲も聴けるのは嬉しいが。敢えていうとネオアコ的な線の細いギター・ポップに特化したレーベルだった様に思う。歴史に名を残す才能の持ち主や死んだら新聞に載るようなスターもいないけれど、いつの時代もメインストリームとは無縁な場所で、日夜好きな音作りに嵩じる趣味人が存在しているのだということを再認識させられる一枚だ。
V.A. - 12inch 87 Anthology (1987,33CY-2085)
1987年/国内盤/日本コロムビア(解説:大鷹俊一)

- Finished - Throwing Muses from "Chains Changed"
- Reel - Throwing Muses from "Chains Changed"
- Snail Head - Throwing Muses from "Chains Changed"
- Cry Baby Cry - Throwing Muses from "Chains Changed"
- The Wedding - The Wolfgang Press from "Big Sex"
- The Great Leveller - The Wolfgang Press from "Big Sex"
- That Heat - The Wolfgang Press from "Big Sex"
- God's Number - The Wolfgang Press from "Big Sex"
- Lollita - A.R. Kane from"Lollita"
- Sado-masochism Is A Must - A.R. Kane from"Lollita"
- Butterfly Collector - A.R. Kane from"Lollita"
- Pump Up The Volume - M/A/R/R/S from "Pump Up The Volume(Re-mix)","Anitina(the first time I see the dance)"
- Anitina(the first time I see the dance) - M/A/R/R/S from "Pump Up The Volume(Re-mix)","Anitina(the first time I see the dance)"
- Sloppy Heart - Frazier Chorus from "Sloppy Heart"
- Typical - Frazier Chorus from "Sloppy Heart"
- Starm - Frazier Chorus from "Sloppy Heart"
当時新進気鋭と謳われたアーティスト達の音も、流石にこの年齢になるとBGM的な楽しみ方をしてしまう。どの曲も理屈抜きに心地良い。よくニューウェーヴを「卒業」したというロック・ファンがいきなり環境音楽に走ってしまうパターンがあるけれど、放っておけば程好く発酵して当の古ニューウェーヴ自体が環境音楽化するのだから、ちょっと待っといたら良かったのに。そんな余談はさておき、本盤。これは日本のみで発売されたアイテムで、4ADレーベル所属の87年当時旬だった4組の12インチ・シングルを集めた企画盤である。ハウスに辿り着く前の蠢きサウンドが笑えるウルフギャング・プレスや、デビュー時から清涼感たっぷりなフレイジャー・コーラスも良いが、何といっても我々にとって思い出深い名曲がM12だろう。最小限のサンプリングと単調なシークエンスで構成されたシンプルなダンス・ポップながら、全英はおろか全米でも大ヒットを記録したハウス・サウンドのクラシックだ。実際現在の耳で聴いても格好良さは変わらず。4ADのカラーからいうとちょっと異色な感じがしたけれど、そこがまた魅力的だった。
V.A. - A Palace In The Sun (1991,COCY-7878)
1991年/国内盤/日本コロムビア(対談・解説:小泉雅史,宮子和眞,久保憲司,瀧見憲司)

- Don't Ask Why - My Bloody Valentine
- I'm Losing More Than I'll Ever Have - Primal Scream
- Ravedown - Swarvedriver
- Chevron - Peter Astor
- Everso - The Telescopes
- She's On Drugs - Jazz Butcher
- Loyers - Love Corporation
- Dreambeam - Hypnotone
- I'm Telling Lies※ - Tangerine
- Below The Waves - Heidi Berry
- Freefall - Something Pretty Beautiful
- Dark Melt - Simon Turner
※オリジナル・アルバムでは本タイトルは別の曲。収録されているのは"Hope This Plane Never Lands"。ミスプリか?
上述の恥ずかしいミスプリやいかにもなアートワーク、それに対談ブックレットのみならず4つ折りのインナースリーヴの裏にまでご丁寧に解説がプリントされている熱の入り様から、僕は当初これも日本独自企画の編集盤だと思っていたのだが、どうも原盤が存在するらしい。そういや裏ジャケに原盤の印刷を隠す様に金色で塗りつぶされてる箇所がある。なるほど。まあそれはともかくとして、単一のレーベル・コンピレーションの国内盤にこれだけ豪華な付録がついて来た位、当時のクリエイションは業界内で期待されていた訳だ。91年といえば丁度洋楽ブームが再燃していた頃で、新人も毎月ポンポン紹介されていた覚えがある。勢いに乗ってこれも、といった感じだったのだろう。ダンス系を集めた『キーピング・ザ・フェイス』と対を成すこちら、ロック系で固めたアルバムの邦題は『太陽の宮殿』。何だかロバフリ翁の顔が一瞬頭をよぎったが勿論関連性はゼロ。マイブラ、プライマルと続く冒頭で客のつかみもバッチリだ。スワーヴドライヴァーのM3は最早ウチでの定番だし、実はハウス・サウンドが持ち味のタンジェリンも問題のM9で佳曲を披露してくれている。とかいってたら最終曲、そういえばこの頃クリエイションにいたんだったねサイモン・ターナー。個人的にいいオチになったよ。
V.A. - L'Assassin du Dimanche (1989,VDP-5201)
1989年/国内盤/ビクター音楽産業(解説:奥河内秀子)

- Penelope - Isabelle Antena
- Courage - Wim Mertens
- Spooky - Kid Montana
- Bay Bridge - Blaine L. Reninger
- Perfect Day(No, He Says) - Anna Domino
- Once In A Blue One - Alan Rankine
- Like The Others - Winston Tong
- Strange Love - The Jazz Passengers
- Lake - Anna Domino
- La Douleur - The Durutti Column With Blaine L. Reninger
- The Kiss,The Dance And The Death - Richard Jobson
- Pranzo - Dirk Descheemaeker
- Eclat De Nuit - Isabelle Antena
- Waltz - Steven Brown
これは酷い仕打ちという以外ない。『New BGM ちょっと・・・聴きたい音楽』シリーズ(なんだそれは)のアンニュイ編(重ねてなんだそれは)として国内リリースされた本盤の正体は、あろうことかかのクレプスキュール・レーベルの(当時の)最新オムニバス・アルバムだったのである。レコード会社のあまりに身勝手な暴挙によって、本来の姿を隠蔽され安直なインテリアBGM集に改竄された経緯を考えると、怒りよりむしろ薄ら寒い思いがこみ上げて来る。今手許にある現物の投げ遣りな帯の文句には、「ヨーロッパの香り立つ音楽。ゴージャスな夜におしゃれな演出を・・・」。これが、ラフ・トレードやクリエイション等誇り高き英国のロック・アルバムの国内配給に携わって来た会社がしたことである。もし僕に金と権力と業界へのコネがあったら、本社に駆けつけて当時の担当者を詰問したい。すっかり前置きが長くなってしまったけれど、前述の様な事情を踏まえているからこそ余計に、聴いていて救われる思いがするのが内容の素晴しさだ。ウィム・メルテンが肩慣らしとばかりに流麗なピアノ曲を披露したかと思えば、元タキシード・ムーンのブレイン・レニンガー、スティーヴ・ブラウンはそれぞれ異国情緒豊かなインストを自作自演。一方アソシエイツで80年代ポップスの一つの極みを見たアラン・ランキンは、中盤で持ち前の少々エキセントリックなセンスをレーベル・カラーと上手く融合させている。そして、本盤のハイライトといえるのが、ドゥルッティ・コラムとブレイン・レニンガーによる夢の共演M10。張り詰めた緊張感にこちらが萎縮してしまいそうな音の節々が、ヴィニ・ライリーがどんな大人しい音楽をやろうがロックでしかあり得ないことを静かに告げている。他にも、キッド・モンタナやジャズ・パッセンジャーズ、ウィストン・トン等好き者には堪えられない布陣がズラリ。勿論、レーベルが誇る歌姫イザベル・アンテナとアンナ・ドミノも揃い踏みだ。中古ショップで探すなら「ロック」のコーナーじゃなくて「洋楽オムニバス」、いやもっと端の「BGM・その他」の棚を見るのが早いと思うぞ。
番外編
87年と90年にラフ・トレードのコンピレーション・アルバムが同じビクターからリリースされていて、これが不思議と曲目が似通っていて面白い。前者は日本独自編集で後者は本国に原盤が存在する。どちらもレーベルの80年代を総括出来る布陣の、中身の濃い作品集故、比べてみると国による視点の微妙な違いが見てとれるかも知れない。
V.A. - Light And Shade - Rough Trade Compilation (1987,VDP-1213)
1987年/国内盤/ビクター音楽産業(解説:赤岩和美)

- Oblivious - Aztec Camera
- Love At First Sight - The Gist
- Sacred Heart Hotel - The Stars Of Heaven
- Clock - Young Marble Giants
- Strange Fruits - Robert Wyatt
- Holocaust - Rainy Day
- Harmony Drone - Shellyan Orphan
- I Don't Owe You Anything - Sandie Shaw
- Walk Out To Winter - Aztec Camera
- This Liberal Love - Microdisney
- That Summer Feeling - Jonathan Richman
- The View From Her Room - Weekend
- Tagg Game - Jonathan Richman
- Hand In Globe - Sandie Shaw
- Theme - Shellyean Orphan
- Shipbuilding - Robert Wyatt
アズティック・カメラのこれはやはり1曲目として外せなかったのか。選曲者の思い入れの感じられるスタートだ。ちなみに邦題は「想い出のサニー・ビート」。ただレコードのA面B面を意識してか、後半もアズカメで始まるところなどは公私混同じゃねえか?との思いも頭を掠める。M2は普段冗談みたいな曲もやる元YMGのスチュアート・モクサムが珍しく本気を出した名曲。M3はブックマンで触れた通り。後、ロバート・ワイアットやジョナサン・リッチマン等はともかく、サンディ・ショーまで2曲収録されているのが謎だ。共にザ・スミスのカヴァーで、モリッシーが彼女の大ファンだったというのは有名な話。その縁で実現した共演のM14は、本盤においてはCDのみの収録曲。ジョニー・マーとかをバックに元アイドルのオバサンが歌う絵というのもかなりにシュールなものがある。こういうのは出来を云々すべきタイプの曲ではなかろう。その他で個人的に嬉しいのはマイクロディズニーが1曲チョイスされている点だ。全体的に愛情を込めて選曲したのは伝わるのだけど、いかんせんネタが少なかったのか、2曲ずつ入れられているアーティストが複数いるせいで水増し感は否めない。
V.A. - A Constant Source Of Interruption (1990)
1990年/国内盤/ビクター音楽産業(解説:宮子和眞)

- How Soon Is Now? - The Smiths
- Oblivious - Aztec Camera
- Lions In My Own Garden - Prefab Sprout
- That Summer Feeling - Jonathan Richman And The Modern Lovers
- Anatomy Of Love - Shellyean Orphan
- Girls At Our Best - Politics
- I'll Keep It With Mine - Rainy Day
- The Lights Of Tetouan - The Stars Of Heaven
- Move Me - The Woodentops
- Let's Go Swimming - Arthur Russell
- Whistling In The Dark - Easterhouse
- Stop That Girl - Vic Godard
- View From Her Room - Weekend
- River - Daniel Binttii
- No-One's Little Girl - The Raincoats
- Shipbuilding - Robert Wyatt
こちらはザ・スミスのアメリカにおける人気の一助となった有名曲で幕を開ける。そして、海の向こうもやはりアズティック・カメラは外せないといったところか、前者と同じチョイスのこの曲が続く。以降、流石に本国編集だけあって、アーティストに重複の無い様万遍無くチョイスされている。ウドゥントップスやイースターハウス、ヴィック・ゴダードの名前があるのが有難いし、M10やM14等、渋い(多分通好みな)選曲でアルバムの流れを引き締めているのも心憎い。だが本盤における一番の目玉はプリファブ・スプラウトのデビュー・シングルM3、これに尽きよう。至極シンプルなアレンジとどこか不安定な演奏はまだ初々しさを残すものの、複雑なコード進行と窺知に富んだ歌詩に、パディの一筋縄でいかない才能が既に開花している。そしてラストは、またもロバート・ワイアットの名唱で知られるこの曲で締め括る。僕は彼に対して特別な思い入れが無い為、このエンディングでの合致には別段何の感慨も無い。