2007年01月08日

アルバム・オブ・ザ・イヤー : 夫妻賞

Scritti Politti - White Bread, Black Beer

Scritti Politti - White Bread, Black Beer

冒頭からグリーンのしっとりメロウな歌声がミディアム・テンポのバック・トラックに乗って切々と流れて来て、いささかたじろいでしまった。大勢のゲストを迎えて音的にも非常に賑やかな雰囲気だった前作「アノミー&ボノミー」に比べると、圧倒的にパーソナルで密室的な音世界に仕上っている。で、聴き進めていくと、心の蔵の奥の方に染みてくるんだコレが。恰幅の良いオジサンキャラになって、その表現力にも大きな余裕が出来たかグリーン!と、改めて80年代生き残り組のどっこいな才能に惚れ直した次第。

「キューピッド&サイケ」や「プロヴィジョン」の頃は他人任せな部分が多かったし、自分の意見押し殺してた所も正直あったよ、みたいな発言を今になって聞かされて、リアルタイムであの音にハマッた世代として正直辛い思いをしている人も多かろう。しかし、恐らく一から十まで自分の思うまま、気の赴くままに作ったと思われる本作を耳にすれば、あの当時のことを今更どう悪く回顧されようが、もう何も文句は言うまい、という大らかな気分になれる筈だ。決して流行の音や昔取った杵柄たるブラック系のアッパーなダンスビートは取り入れられていないものの、ここには今のスクリッティ・ポリッティ、今のグリーン・ガートサイドにしか歌えない最高のポップスがぎっしりと詰められている。それだけで、僕は満足だ。ボーナスDVDに映る彼を観ながら、こういう歳のとり方もあるんだよな、ある意味羨ましいよな、とかしんみり考えてしまったよ。

ああ、何かヤフオクとかで物凄く高度な技術が使われているのに無茶苦茶安価で出てるセパレートデッキのオーディオパーツを手に入れた時みたいな複雑な気分。 (夫)

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ヒップ・ホップ音楽に傾倒していた頃のむやみやたらな躁状態もさすがにおさまったのでしょうか。7年という時の重みを感じます。いや、ほんとはそんなに感じていなかったりしますが、それはさて置き。

前作「アノミー&ボノミー」以来7年ぶりのアルバム。全体的にスローでアンニュイなムードの漂うアルバムです。スクポリ結成当時の頃のベタ・アバンギャルドなノリもほとんどありません。1曲目からいきなし倦怠感まっしぐらの「ブーム・ブーム・バップ」とかイントロのギターがまんまドクター&ザ・メディックスのアレなM7「アフター・シックス」あたりが嫁はお気に入りです。M13「ミセス・ヒューズ」は確かデモの段階ではカイリー・ミノーグの名前がタイトルに入ってたと思うんですけど、まあこれはたぶんまた別のお話。カワイイもんどうし、というかかつての80s全盛期くたびれ者どうしで仲良しなんでしょうきっと。 (嫁)


アルバム・オブ・ザ・イヤー : 夫賞

Editors - The Back Room

Editors - The Back Room

テメエのささくれ立った精神のひだの一枚一枚にわざわざノリツッコミしまくってたポスト・パンク世代の人達と比べると、今の若手勢の感性は遥かに自由度を増している。このバンドの「はじめに良い曲ありき」「派手な宣伝より地道で着実な足固めを」という基本スタンスが、いかにも象徴的だ。だから、一聴するといかにもダークでニヒルな本作も、聴き進むにつれ、思わず一緒に口ずさみたくなってしまう様なキャッチーな歌メロで綴られた、実はとっても親しみ易い作品であることに気付く筈。つまり、かつてのNWバンドに対する格好の批判ネタとなっていた情緒性を、彼等は見事に自分達のセールス・ポイントへと昇華してしまった訳だ。コレは強い。商魂逞しい芸術家、と書くとあんまり褒め言葉に思えないかも知れないけれど、ともかくこれまでに例の無い新しい形の芸人気質のバンドとして、彼等は将来的にどんどん伸びていくんじゃないか。そう予感させるに充分な素晴らしいデビュー盤だと、僕は思った。男前はいないけど。三十路手前だけどっ。 (夫)

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ライブinトルコの時にステージですっ転んでギターを客席に落としそうになってもそのまま歌い続けたというボーカルのトムさんはリアル・オットコマエだと思います。男前ダークな歌声に切れ味抜群ギター・リフ。M2「ミュニック」のサビメロとか後ろでひゃらひゃら鳴っているギターなどを聴くと心がめろめろになるのですが、トムさんのハジケブログとかユニクロ・ボーイなお洋服を思い出して一瞬にしてハートが冷めてしまいます。こういうところがとてもいとおしいったらもう。M7「フィンガーズ・イン・ザ・ファクトリーズ」なんてタイトルつけるセンスもイカしてます。 (嫁)


アルバム・オブ・ザ・イヤー : 嫁賞

The Bluetones - The Bluetones

The Bluetones - The Bluetones

モータウン・ビートと土曜の昼下がり気分の軽やかな歌メロが好印象なM1「サレンダード」でつかみもばっちり。前作「ルクセンブルグ」のトンガリ気味な部分も残っているけど、ほぼ全曲アコギエレキ&親しみやすいのんびりした歌メロ主体で、ルクスがいまいち気に入らなかった人々にもすんなりと聴いてもらえるんではないかと思います。私はルクス容認派なんで、最新シングル「ヘッド・オン・ア・スパイク」の疾走感溢るるギターにほれぼれとしてしまいました。ただ、自虐的で後ろ向きな歌詞が多いのが気になります。何がマーク・モリスをここまで追いつめたのか。

通算5枚目にあたる今作は、英国アルバム・チャート最高位100位までしか届かず、シングルもろくに売れていないそうです。多分バンド史上過去最悪に売れてません。なんということだ、でも確かにiPod音量MAXオール・ザ・タイムで耳と感性をヤられた今どきの英国の若いもんにとっちゃあ地味なパンピー・ロックにしか聴こえないのかもしれません。だけどな、善良なロンドン市民によるリアルなイギリスマン・ロックを作ることができるのは彼らだけだと思うのよ。何気に地方人がハバ効かす英国ロック業界において、正真正銘ロンドンど真ん中出身のバンドってとこだけでなんかもう神々しいことこの上なくバリバリじゃないですか。だからもっとブリットブリット言うて崇めてやってもよいはずです。 (嫁)

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自らのバンド名をまんまタイトルに冠したアルバムって、えてして地雷の場合が多い。ちょっと思い出しただけでも、あの人達とか、あの連中とか、色々頭に浮かんで来る。でもしかし!この作品に限っては大丈夫。たとえマーク・モリスの身なりが「スライト・リターン」の頃から百万光年彼方の地平に漂着したとはいえ、そしてたとえそのフロントマンの弟であるベーシストがついでにアートワークも手がける、っておい何処の地元インディーバンドよ!?と突っ込み入れたくなる様な身内ノリがあるとはいえ、彼等ってばまるで音楽的才能枯渇してませんでしただ。

思い返せばこの人達のデビュー作、あれからして当時の新人勢に比べてポテンシャルの高さが決定的に違っていた。ジャケ写はどっかのパクリとはいえ、各楽曲のエヴァーグリーンな輝きは明らかに選ばれた者のそれだった。もうあの頃から己の人生付き合わせるバンドとしての資格は十分だった訳だ。その通り、今になってフロントマンの変貌ぶりをまざまざと見せつけられる位の困った腐れ縁になってしまったけれど、通算5作目となる本作においても信頼性はやっぱし抜群。おおそういやオメエも腐れ縁じゃったのうガッハッハ、なヒュー・ジョーンズをプロデューサーに再び迎えての、徹頭徹尾これぞブルートーンズ!な音世界。おじさんおばさんファンには安心立命、新参の若いファンには今どき珍しい純英国産ギター・ポップとしてのクオリティをガッチリキープしとります。まあ世間的にはまったく売れてへんみたいやけど、人並みの生活出来てるみたいやし気にすんな!でもちょっとは気にした方がいいかもね。 (夫)


ピープル・オブ・ザ・イヤー

マーク・モリス (ザ・ブルートーンズ)

さて。上のほうでバリバリ神々しいだの崇めろだの書いといてナニなんですが。

「ブルートーンズ・コンパニオン」のジャケにてグラサン+おされ系古着ルックでキメキメだったあの頃ノー・リターン。「うおおついに真の二代目レイ・デイヴィス誕生くわ?!」なんて私のヘアリー・ハートがそわそわしたのももう10年以上も前のお話です。「スライト・リターン」のPVで愛らしく歌って踊ってたロンドンそだちのおちゃめ青年が今ではすっかりフツーのだっさいリアルおっさんに。言動もおちゃめ通り越してただの寒い人。時間ってほんとに残酷ですね。「バンドはじめてもう10年も経ったけど、歳とったなあっていう実感が全っ然ないんだよね!」って、あんたものすごい勢いでおっさん化してますってばよ。だからご安心下さいよ。声は相変わらず若々しくてフレッシュでチャーミングってところがせめてもの救いです。声だけですがね。

最近の写真やビデオで何気にチェックしてみて不安になったこと。マークさん指輪のたぐいは一個もハメてない気がするんですが、もしかしていまだに独身KIZOKUですか。ベーシストの弟さんはどうやら無事に結婚できたとのこと。で、お兄さんアナタもしや先越されましたか。既婚だったらそれはそれでそれなりのネタ満載なキャラになりそうですが(ヒドイ)。いやほんとどうでもいいことなんですけど、でも、ちょい悪おやじLEON系の真逆を突っ走るあの風体で三十代後半でしかもドクオだったら、あまりにも悲惨です。ベルリンかどっかの風俗店の看板(トップレスのねえちゃん)をエロ目凝視しているアナタの写真を見た時ゃーあたしゃドン引きしましたよ。と同時に涙が止まりませんでしたよ。マークさん、やっぱりそうなの? (嫁)

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結婚したら風向きも変わるよきっと。何の? (夫)


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