2008年06月07日

Mark Morriss - Memory Muscle (2008)

Mark Morriss - Memory Muscle (2008)

2008年/輸入盤

ブリット・ポップ・ムーヴメントが産み落とした最良の果実、ザ・ブルートーンズのフロントマン/ボーカリストが放つ初めてのソロ・アルバムである。これはもう襟を正して対峙せねばなるまい。マイスペースにて既に何曲かは試聴済みとはいえ、それでもさざ波の如く寄せては返す不安を拭い切れぬまま臨んだ全11曲、あにはからんや、これがもう僕の心配なぞ何処吹く風とばかりに普段着感覚の、いつも通りのマーク・モリスなのであった。まず何より、彼にこれだけの作曲能力があったこと自体嬉しいサプライズだし、そこから紡ぎ出されるボーカル・ラインが本家ブルートーンズと地続きの、程好い苦味を伴った“痩せても枯れても生涯青春”的センスに溢れているのが素晴しい。普段バンドの曲作りは弟以下メンバーに任せっきりかと思いきや、ちゃんと彼なりの音楽的ポリシーがあったのだな、との再確認が出来ただけでも本作の存在意義は大いにある(ブレット・アンダーソンが独り立ちしたスウェードの『カミング・アップ』に接した時と同じ安堵感)。ソロということで今回は彼自身の嗜好たる60~70年代のフォーク・ロック辺りからの影響を直裁に反映させているのが特色らしい特色。そうはいっても妙なレイドバックに走らず一介のSSWっぽい風通しの良さが通底しているのは彼の資質を象徴しているようで面白い。そのおかげでティーンエイジ・ファンクラブとリー・ヘイゼルウッドのカヴァーもごく自然な形で並んでいる。逼迫したフラメンコ、とでも形容したくなるシングルのM2は一聴の価値ありだ。


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