2009年01月18日

Brian Eno/John Cale - Wrong Way Up (1990)

Brian Eno/John Cale - Wrong Way Up (1990)

1990年/国内盤/ワーナー・パイオニア(解説:山田道成)

互いに音楽については相当頑迷な一家言を持っていそうな重鎮アーティスト同士が組むと、こちらの予想に反して驚くほどポップな作品をドロップして来る場合が間々ある。これもその一枚。イーノが『ビフォア・アンド・アフター・サイエンス』以来実に13年ぶりにヴォーカル復帰したアルバムとしても、我々の記憶に残る。共作はしても共演ともなれば最近作でも20年近く遡るイーノとケイルとの久方振りのコラボレーションは、現代音楽家が真摯にポップ・ミュージックと向き合えばどのようなものになるか、そのお手本ともいうべき明朗闊達な、暖色系のヴォーカル・アルバムに仕上がった。全10曲の内ほぼ半数ずつメイン・ヴォーカルを分け合いながら、両者間で極端なコントラストは生じておらず、むしろ互いの個性を有機的に溶け合わせようとの努力(イーノ8:ケイル2)の跡が窺える楽曲群。それが長じてオプティミスティックな雰囲気まで醸しているのには正直最初腰が退けたが、一旦慣れてしまえば、力技で嵐を鎮めてあるかのような平穏が心地良くなる筈だ。後日談としてイーノは今後ケイルとは2度と一緒にやらないと語ったそうだ。


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